|
|||||||||||||||||||||||||||
ズッシリと聴き応えのあるエクアドル伝統音楽のパノラマ的集大成 |
|||||||||||||||||||||||||||
オムニバスといっても、一般的によく行われる、既に録音されているいろいろな音源からの寄せ集めではなく、このアルバムの為にスタッフ自らが機材を引っさげ各地をめぐり、その地方の音楽家を呼び寄せ、改めて録音したもの。よって当然、録音状態や、トラック同士のバランスも良く、単なるこの国の伝承音楽の記録としてのみならず、音楽作品として楽しめる側面を満たしたクォリティの高い仕上がりとなっています。 エクアドルといえば、我々アンデス音楽ファンにとってはまず、近年人気の高いサンファニートに代表されるオタバロ族の軽快な音楽が思い浮かびますが、このアルバムではそういったアンデス音楽にとどまらず、様々な地方の伝統的なスタイルによる演奏を集めています。 エクアドルは西から海岸地方、山岳地方、そしてアマゾンの熱帯地方と、地理的に3つの地方に分類され、それぞれの地方によって大きく文化的特徴が異なります。このアルバムではこれらをさらにアンデス地方のキチュア音楽、国民音楽、村の楽団の音楽、チョタ−ミラ渓谷の音楽、エスメラルダスの音楽、アマゾンの音楽と体系立て、その全ての分類についてのバラエティに富んだ音楽が網羅されています。賑やかなバンダや海岸地方のトロピカルな演奏があると思えば老女のつぶやきのような独唱、アマゾンの掛け声のかけ合いに、悲しげなアルパの独奏等々…。派手さはありませんがその一つ一つが実に味わい深いものばかり。これを聴くと、日本の3/4程度の小さな国土に実に様々な音楽が存在することに驚かされます。 総収録時間136分、収録曲数41曲、登場グループ17組、ズッシリと聴き応えのあるエクアドル伝統音楽のバイブルともいえる大作。ゆっくりと時間をとって、ぜひこのCDのもうひとつの魅力である50ページにも及ぶ丁寧な解説書と、できれば地図を片手にお楽しみください。 |
|||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||