FOLKLORE DE AYACUCHO / GRUPO TRILCE

ペルー南部、モケグア出身ながら現在はアヤクーチョを代表する女性ソロ歌手として精力的に活躍しているマルゴット・パロミノ。このアルバムは彼女が1988年当時に在籍していたグルーポ・トリルセ名義で発表したアルバムのCD再発盤。この地方を代表するギタリスト、マヌエルチャ・プラドがギターで参加していること、タイトル曲をはじめ彼の作品が多く取り入れられている事からも彼の強い影響下にあったグループといえるでしょう。
アルバムの内容は前記のマヌエルチャの曲以外にもリラ・パウシーナのナンバーやワルテル・ウマラ等、アヤクーチョの代表的作家の曲を、伝統的色合いの強いギターの伴奏をバックに情感を余り表に出さず淡々と唄われる女性ボーカルが乗るという編成。
アヤクーチョは実は日本大使館事件でわが国でも知られるようになった左翼ゲリラ組織“センデロ・ルミロソ”の拠点となった街であり死んでいった活動家の死を悼む曲など静かで切ない響きが胸を打ちます。派手さはありませんが深夜にしっとりと耳を傾けたい名盤です。実に味のあるペルー・チャランゴを弾くホセ・グァルディアは名手ハイメ・グアルディアの息子さん。