BOLIVIE MUSIQUE DE NORTE POTOSI / FLORINDO ALVIS

フロリンド・アルビスはボリビア・マンタの初期の録音に参加していたり、ウニャ・ラモスのサポートメンバーとして来日経験もあるポトシ県北部はオクリ出身のチャランゴの名手。1971年にヨーロッパに渡って以来、フランスを拠点にヨーロッパ人にアンデス本来の音楽の姿を伝える事に重点を置いた活動をおこなっています。
このアルバムの登場人物は彼の他に２人。エウスタキオ・アルビスは自らのチャランゴ、ギタリージャ（コンコータ）に合わせ歌も歌います。バルバラ・レイナガ・デ・アルビスは録音当時、実に84歳の老女。この地の本来歌い継がれた姿を伝える真に貴重な歌声です。名字から推測される通りアルビス・ファミリーが時にソロで、また、時には合奏でポトシ北部の伝統曲を聴かせてくれます。
「自尊心の無い先住民族は混血から見下されます。屈辱を避けるため彼らは伝統を捨て混血文化に溶け込む事により、固有の文化を希薄なものにしてきました。今、少し前まで避けられていた北ポトシの音楽が見直され、民族音楽家はその魅力を紹介しています。しかしながらしばしばそれらは知識や理解の不足から質の悪い演奏になってしまっています。」アルバムの解説に見られるこのコメントからも彼がいかに自分達の音楽に愛情を感じ、それを後世に伝えようとかが伝わってくきます。
流行歌のようにリズムやメロディに起伏や刺激のある音楽では無いので、はじめは退屈に感じられるかもしれませんが、聴きこむうちにその平坦さの中にある深みに気付く事が出来ればその瞬間あなたはあなたはアルティプラーノの荒涼とした大地の中にトリップしていることでしょう。歌詞カード、英仏西解説付き。