ケーナ、サンポーニャ、チャランゴ、アルパにカホン…ご存知の通りラテンアメリカには世界でもほかに例を見ないほど、多種多様な楽器が見られます。そんな楽器の数々が何処で生み出されどういう経路で伝わりいかに各地で定着・発展したのか?南米音楽ファンの中にもこれらに興味を抱いている方々は少なくないと思います。この本はこの地の征服と融合の歴史がどのような楽器と音楽を生み出したのか?各地の多彩な楽器を紹介し、その背後に秘められた歴史や文化、社会の特色を明らかにしたものです。
とかく我々は現地の人々から、それは私達の音楽だ、楽器だとの情報を得るとそれを鵜呑みにしてしまう傾向にありますがこの本では著者の“40年近くにわたるフィールドワークの成果”というだけあって地域や国境を越えたグローバルな視点で再検証されているところが大へん興味深く、フォルクローレを長年耳にされている方々にとっても目から鱗の取れる思いのする知識が記されています。著者である山本紀夫先生は国立民族学博物館教授という肩書きを持つ方ですが自らもフォルクローレの楽器を演奏されるとの事で興味の観点も我々音楽ファンに近くまた、豊富な図版と著者自らが撮影した貴重な写真がカラーで紹介されており文章は苦手という方々も興味深く読み進んでいただけるものと思います。A6変型判サイズ、166ページ。
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