オルーロ出身のアントニオ・バリエントスはこれまでヨーロッパを拠点にしていたギタリスト。最近本国に戻り地元のオルーロやラパスで活動しているようです。
このアルバムは全曲彼の手によるギター・ソロ作品で構成されており、曲のタイトルからも推測出来る通りアンデスの厳しい自然をテーマとした独創的な作品が多く収められています。彼のギター・スタイルは聴く者に強烈な印象を与えてくれるものですが、あえて例えるならば情感たっぷりの激しいギターのかき鳴らしは故アルフレド・ドミンゲスを、叙景的でドラマティックな曲調はチャランゴのカブールを連想させます。
髭をたくわえポンチョをまとった風貌も冷たい風を受けて旅する吟遊詩人のイメージとマッチしていてGOOD。久々に音を耳にしただけで演奏者の“顔”の思い浮かぶ個性的なギタリストの登場です。おすすめ!